【専門医が解説】胃がん検診、バリウムと胃カメラはどちらを選ぶべき?後悔しないための全知識

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【専門医が解説】胃がん検診、バリウムと胃カメラはどちらを選ぶべき?後悔しないための全知識

会社の健康診断や人間ドックの案内で、「胃の検査はバリウムと胃カメラ、どちらにしますか?」と聞かれ、迷った経験はありませんか。「どちらがより正確なのだろう?」「胃カメラは苦しいと聞くし…」など、さまざまな疑問や不安がよぎることでしょう。

胃がんは、早期に発見すれば治癒が期待できる病気です。だからこそ、検査方法の選択はご自身の未来を守るために非常に重要です。

消化器疾患の診療と内視鏡検査に携わる専門医が、皆さまが後悔しない選択をするために、バリウム検査と胃カメラ(内視鏡)検査の違いを解説します。

そもそもバリウム検査と胃カメラ検査とは?

まず、それぞれの検査がどのようなものか簡単にご説明します。

  • バリウム検査(胃部X線検査)
    レントゲンに白く写る造影剤(バリウム)と、胃を膨らませる発泡剤を飲み、レントゲン撮影を行う検査です。バリウムが胃の粘膜に付着することで、胃全体の形や凹凸の異常を「影絵」のようにして間接的に観察します。
  • 胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)
    先端に高性能な小型カメラが付いた、細くしなやかなスコープを口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜の状態を「直接」、モニターに映し出してリアルタイムで観察する検査です。粘膜の色や質感、微細な変化まで詳細に確認できます 。

精度・苦痛・安全性…徹底比較!バリウム vs 胃カメラ

両者の違いを、皆さまが最も気になるであろうポイントで比較してみましょう。結論から先に言えば、ほとんどの項目で胃カメラ検査が優れています。

項目

バリウム検査

当院の胃カメラ検査

診断方法

間接的な影絵(レントゲン)

直接観察(高精細カメラ)

早期がん発見精度

低い(平坦・色調変化は見逃しやすい)

極めて高い

確定診断

不可(再検査で胃カメラが必要)

その場で組織採取し、一度で可能

放射線被ばく

あり

なし

検査中の苦痛

飲みにくさ、不快な体勢、ゲップ我慢

鎮静剤で眠っている間に完了

検査範囲

主に胃の輪郭

食道・胃・十二指腸を詳細に観察

検査後の負担

下剤の服用、便秘のリスク

お腹の張りが少ないCO2使用、リカバリー室で休憩

この表が示す通り、両者には決定的な違いがあります。特に重要な3つの理由から、なぜ専門医が胃カメラを推奨するのかを詳しく見ていきましょう。

なぜ専門医は胃カメラを推奨するのか?3つの決定的な理由

1. 命を救う「早期発見」の精度が圧倒的に高い

胃がん検診の最大の目的は、がんを「早期」に発見し、治療につなげることです。バリウム検査は胃の変形(凹凸)を見つけるのは得意ですが、凹凸がなく粘膜の色の変化だけといった、ごく初期のがんを発見するのは非常に困難です。

一方、胃カメラは粘膜を直接、高画質で観察するため、ミリ単位の微細な病変や、わずかな色の違いも見逃しません。治療による体への負担が少なく、完治が目指せる「早期がん」の発見率において、胃カメラはバリウム検査を圧倒しているのです。

2. 「一度で検査から確定診断へ」という確実性と安心感

バリウム検査で「異常の疑い」が見つかった場合、それだけでは診断は確定しません。結局、精密検査として胃カメラ検査を受ける必要があります。これは「二度手間」になるだけでなく、「がんだろうか…」と不安な気持ちで結果を待つ時間を過ごすことにもなります。

胃カメラ検査なら、もし疑わしい部分が見つかっても、その場で粘膜組織の一部を採取(生検)できます。この組織を病理検査にかけることで、がん細胞の有無を確定診断できるのです。検査から診断までが一度で完結するため、心身の負担を大きく軽減できます。

3. 不要な放射線被ばくを避けられる安全性

バリウム検査はレントゲンを使用するため、放射線被ばくが避けられません。その被ばく量は、胸部レントゲン写真の150~300倍にもなるとの報告もあります。一度の検査で健康に重大な影響が出る量ではありませんが、定期的に受ける検診であれば、不要な被ばくは可能な限りゼロにしたいと考えるのが自然でしょう。胃カメラ検査は放射線を一切使用しないため、被ばくのリスクは全くありません。

「でも、胃カメラは苦しいのでは?」その不安、当院が解消します

ここまで読んで、「胃カメラの優位性は分かったけれど、やっぱり『オエッ』となって苦しいイメージが…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください。そのイメージは、もはや過去のものです。

当院「千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ」では、患者さまの苦痛を限りなくゼロに近づけるため、以下のような取り組みを徹底しています。

  • 鎮静剤(静脈麻酔)による無痛検査
    点滴から鎮静剤を投与することで、ウトウトと心地よく眠っている間に検査は終了します。検査中のつらさや不快感は全くなく、多くの方が「気づいたら終わっていた」とおっしゃいます 。もちろん、検査中は血圧や呼吸の状態を常にモニタリングし、安全を最優先します。
  • 経験豊富な専門医による丁寧な操作
    検査はすべて、日本消化器内視鏡学会の専門医・指導医が担当します。豊富な経験に裏打ちされた、丁寧でスムーズなスコープ操作により、体への負担を最小限に抑えます。
  • お腹の張りを軽減する二酸化炭素の使用
    検査中に胃を膨らませる際、一般的な空気の代わりに、体への吸収が非常に速い二酸化炭素ガスを使用します。これにより、検査後のお腹の張りや不快感を大幅に軽減できます。

検査後は専用のリカバリールームで、リラックスしてお休みいただけます。苦しい思いをすることなく、安心して精密な検査を受けていただくことが可能です。

専門医の「目」+AIの「目」。見逃しを防ぐ最新技術

当院では、最高レベルの診断精度を追求するため、オリンパス社製の最新内視鏡システム「EVIS X1」を導入しています。これは、単に画質が綺麗なだけのカメラではありません。

  • AIによる病変検出支援機能
    検査中、AIが医師の観察をリアルタイムでサポートし、ポリープなどの病変候補を自動で検出します。専門医の目とAIの目によるダブルチェックで、万が一の見逃しリスクを極限まで低減します。
  • 特殊光(NBI)観察
    通常光では判別しにくい、がんの初期段階に特徴的な微細な血管の集まりなどを、特殊な光を当てることで鮮明に浮かび上がらせます。これにより、診断精度が飛躍的に向上します。

最後の決め手:もし医師自身が検査を受けるなら?

最後に、皆さまの疑問に最もシンプルにお答えできる事実をお伝えします。

「もし、私たち消化器専門医が自分自身や家族の胃がん検診を受けるとしたら、バリウムと胃カメラのどちらを選ぶか?」

その答えは、ほぼ100%の医師が「胃カメラ」を選びます

これが全てを物語っています。自分の、そして大切な家族の命を託せるのは、最も正確で、確実で、安全な方法であると、専門家が誰よりも知っているからです。

まとめ:後悔のない選択で、未来の健康を守りましょう

大切なご自身の健康のため、検査方法の選択は非常に重要です。精度の高さ、一度で完結する確実性、そして何より「苦痛のない安心感」を考えれば、胃カメラ検査が最良の選択肢であることは間違いありません。

千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザは、柏駅西口から徒歩1分。平日お忙しい方のために土日の検査も実施しております。あなたの健康を守る第一歩を、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。

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